2019年1月26日土曜日

日本語教師って何?

 就労外国人関係の議論で盛んに「日本語教師」という言葉が使われています。しかし、そもそも「日本語教師」って何? 2つの可能性。(1)調理師、美容師、看護師、介護士、司法書士、行政書士などと並んで「日本語教師」、(2)日本語教員の意味。
 (1)については、日本語教育能力試験というのがあって、それに合格したら「日本語教師」? うーん、どうもそうでもないような…。現在の日本語教育能力試験が、日本語を「教える」ということに必要な資質、知識、技能を妥当に測っているとは言えないような…。仮に知識は測っているとしても、資質と技能は測っていないでしょうね。だから、「資格試験」という観点で言って、「日本語教師」というのが存在しているかというと、存在していないと思います。
 では、(2)はどうでしょう。「小学校教員」と言うと、フツーは正規に雇用されている教諭をイメージします。社会保険などがもちろんありますし、給与は給与表というので定められていて年功的に上がっていきます。非常勤の場合は、わざわざ「小学校・非常勤教員」と言うでしょうね。日本語教育の場合に「日本語教員」というのがそもそもあるのでしょうか。日本語学校の専任の先生は「日本語教員」? 一応社会保険はあるかと思いますが、きちんとした給与表はないし、日本語学校の場合は教員の研修などのシステムもほとんどありません。だから、「日本語教員」とは言わないのでしょう。では、大学の日本語教育センターで日本語教育に携わっている人や、国際交流基金で(国内・国外で)日本語教育に携わっている人やなどは「日本語教員」? うーん、まあ待遇的には「日本語教員」と言ってもまあいけるでしょうね。ただし、基金の場合は、日本国内では形式的には「1年契約」で、いわゆる「終身雇用」ではありません。海外の場合は、赴任期間だけの雇用契約です。日本語教育センターなどは、一部「終身雇用の」専任教員(とはいえ、形式的には多くは「1年契約」)がいますが、たいていは契約教員や特任教員で任期ありです。一方で、大学の留学生センターや国際センターなどで日本語教育に携わっている人は、自分たちは「日本語教員」ではなく、「大学教員」だと言うでしょうね。どうも(2)の観点でも、まともに職業として成り立っている「日本語教師」は見つかりそうにありません。
 「だからこそ、日本語教師の地位の向上をしなければいけないのだ!」という声が聞こえそうですが、それ変! 世の中に「日本語教師」や「日本語教師の地位」なんてないのに、それを向上するなんて論理矛盾。正確に言うなら「日本語を教えるということを立派な専門職として確立すること!」でしょう。そうなると、今のままの「わたしたち日本語教師」のままではダメということがしっかりとはっきりしてきます。俗にしばしば言われる「日本語教師の地位の向上」は、「わたしたち」が立派な専門職に変容できるかの問題なのだと思います。
 取り急ぎ。

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